Smiley face
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コント集団「ザ・ニュースペーパー」で石破シゲル君を演じる福本ヒデさん(左)と、岸田フミオ君を演じる浜田太一さん=10月2日、東京都中野区、女屋泰之撮影
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 過去最多の9人が立候補した自民党の総裁選が終わり、3年ぶりに首相が代わった。政治家に扮して笑いを取る風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」でも3年ぶりに「政権移行」が進む。ときに辛辣(しんらつ)に、ときに愛情をもって政治家を観察してきた彼らは総裁選をどう見ていたのか。石破シゲル君を演じてきた福本ヒデさんと、岸田フミオ君を演じてきた浜田太一さんに聞いた。

 ――石破茂さんが首相になると想像していましたか。

 福本 「窓際族」ってこれまでネタにしていたくらいなので、まさか石破さんが総理になるなんて。自民党の国会議員には人気がないから、次は立憲民主党の代表選に出ますなんてコントでは言っていましたからね。

 石破さんはキャラクターが強い人なので、まねしたら面白いだろうっていう期待値がお客さんも高いんですよ。首相になると公演でもたくさん出ないといけないのでプレッシャーです。岸田文雄さんの場合は「岸田さんなのに面白いね」っていうだけでよかったから、うらやましい。

なぜ岸田フミオ君はウケなくなったのか

 ――3年間の岸田政権時代のウケはどうでしたか。

 浜田 岸田さんはザ・ニュースペーパーでもやっていた人間がいなくて、2020年に岸田さんが総裁選に出たころに慌てて私が演じ始めました。でも演じるのにポイントになるアクの強さがなくて非常にやりづらい。逆に、もう似せる必要もないかと割り切って自由にできた面もありました。岸田さんもまったく特徴がないわけではないんですよ。

 「えー、わたくしがですね、だい、ひゃく、いち、だい、内閣総理大臣の、岸田、文雄でございます」

 こんな風に変に区切って話す。でも強調したいところで区切っているわけではないから、あんまり耳に入ってこない。とくに支持率も下がった政権の後半以降は、原稿を読んで話すことが増えて力がなくなった印象があります。首相になった当初はけっこう原稿を読まずに話す方だったのですが。裏金問題もあって失敗できないというプレッシャーがあったのかもしれません。

「窓際族」の石破茂氏はなぜ国民に人気があったのか。演じてきた人だからこそ分かる政治家の実像に迫ります。石破シゲル君が石破茂氏本人から聞いた「首相をめざす理由」も明かされます。

 ――お客さんからの支持率も低迷していましたか。

 浜田 岸田さんのピークは昨…

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